岩﨑です。
現在東映通院では、以下の院長先生作が展示中です。
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき (猿丸太夫)
さて・・百人一首の中に歌合をしたものが入っている事を知っているでしょうか?
天徳内裏歌合(960年)20番目、題は「恋」・・
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか (壬生忠見)
(恋しているという私の噂がもう立ってしまった。誰にも知られないように心ひそかに思いはじめたばかりなのに)
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで (平兼盛)
(心に秘めてきたけれど、顔や表情に出てしまっていたようだ。私の恋は、「恋の想いごとでもしているのですか?」と人に尋ねられるほどになって)
決着は当然ついていますが、さてどちらの句が好みでしょう?
百人一首の中では皆さん好きな句もあると思いますが、僕は以下の二つが好みです。
心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花 (凡河内躬恒)
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな (左京大夫道雅)
歌の中には戒めや辞世の句もあります。
~のものであると言われている、~かも?というものも含めてですが、好きなものとして・・
①為せば成る 為さねば成らぬ 成る業を 成らぬと捨つる 人のはかなき (武田信玄)
②人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり (武田信玄)
③四十九年 一睡夢 一期栄華 一盃酒 (上杉謙信)
④何を惜しみ 何を恨みん 元よりも この有様に 定まれる身に (陶晴賢)
⑤討つものも 討たれるものも 土器(かはらけ)よ 砕けて後は もとの土くれ (三浦義同)
上杉鷹山が後の世、①を引用したものとして、
為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり
があります。
さて、たまにはひとつ作ってみませんか?